第111回相続コラム 時系列で学ぶ相続手続きの流れ-49日~3か月以内
- 2021.03.05
- 知って得する相続対策
- 49日以降, 時系列, 相続手続き
いざ相続が発生しても「何から手をつければいいののかわからない」という方も多いと思います。今回のコラムは前回に引き続き時系列で相続に関する手続きを解説していきたいと思います。慣れない用語が多いと混乱することも多いかと思いますが、まずは大まかな流れと要点を抑えることが大事です。
49日以降~3か月以内に行う手続き
それでは、本格的な相続手続きについて、49日~3か月以内に行うことをお伝えします。3か月以降の手続きも存在しますが、詰めすぎも情報が多すぎてわかりにくくなってしまうので、まずは3か月以内にやっておくと良いと思われる手続きを簡潔にまとめました。
■相続人・相続財産の調査
■相続放棄・限定承認
■遺言書がある場合には検認の申し立て
相続財産の調査
相続でいう遺産には積極財産と消極財産の2種類があります。受け取って有利になるのが「積極財産(プラスの財産)」、不利になるのが「消極財産(マイナスの財産)」と覚えておくといいでしょう。
◆積極財産の種類
現金、預貯金、債権(貸付金、配当金、貸金債権、損害賠償請求権)、土地、家屋、自動車、駐車場、借地権、事業財産、家財、有価証券、投資信託、著作権、受取人が本人と指定されている生命保険金など
◆消極財産
借金、住宅ローン、未払金、債務保証など
相続財産の調査を三ヶ月以内にしなければならないという決まりは存在しないのですが、後の遺産分割のためや、相続税を計算するためには、そもそもどんな財産がどのくらいあるのかわからないと先に進めないので早めに調査することをおすすめします。また借金や負債などの消極財産が積極財産を上回る場合には、後に解説する相続放棄等を検討することになると思いますが、相続放棄には期限があるので、そのためにも早めの調査をおすすめします。
相続人の調査
こちらも「いついつまでに調査する」という決まりはありませんが、後の手続きをスムーズに進めるために、相続人が誰になるか不明な場合は、早めに調査しておくのが無難です。
具体的には戸籍謄本を取得して調べていきます。
ちなみに「相続人」というのは、相続財産を引き継ぐ人のことをいいます。法律上では、被相続人(故人)の配偶者および被相続人と血族(血のつながりのある人)が相続人となります。これを「法定相続人」と呼びます。
具体的に誰が相続人となるのかについて詳しくは
「第3回相続コラム いまさら聞けない相続人の範囲 ? 法定相続人」
「第11回相続コラム 法定相続人の具体的範囲と相続分」
をご覧下さい。
相続放棄・限定承認
相続放棄や限定承認をする場合には、相続発生を知ったときから三ヶ月以内に行う必要があります。借金などが多くて、それらを相続したくない場合に必要となる手続きですが、こちらは期限が法律で決まっているので注意が必要です。
相続放棄や限定承認について詳しくは
「第15回相続コラム 単純承認、相続放棄、限定承認の3種類のパターン」
「第16回相続コラム 相続放棄の手続き」
をご覧ください。
遺言書がある場合には検認の申し立て
遺言書が見つかり、それが公正証書遺言ではなかった場合、家庭裁判所に検認という手続きを申し立てる必要があります。家庭裁判所によって異なりますが、遺言書の検認を申し立てすると、おおよそ一ヶ月くらいかかるので、こちらも遺言書が存在する場合には早めに申し立てすることをおすすめします。
遺言書の検認について詳しくは
「第49回相続コラム 知らないと罰せられることも!?遺言の検認」
をご覧下さい。
相続に関する面倒事は専門家をうまく活用するという手も
相続は難しい、手続きは面倒という方は多いと思います。また「争族」と言われるように、相続人間のトラブルに発展してしまうこともしばしばあります。
手続きにかかる手間やストレスの軽減、相続人間のトラブルを未然に防ぐ意味でも、専門家の力を借りることは十分検討すべき選択肢と言えます。
当事務所は累計対応件数2100件の実績もあり、相続手続きでは高い評価をいただいています。無料相談も行っていますので、お気軽にぜひご相談ください。
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