第120回相続コラム もっと詳しく知りたい!名義変更手続きについて~不動産編

相続コラム

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第120回相続コラム もっと詳しく知りたい!名義変更手続きについて~不動産編

第120回相続コラム もっと詳しく知りたい!名義変更手続きについて~不動産編

第117回相続コラム 時系列で学ぶ相続手続きの流れ-4か月目-名義変更」にて相続における名義変更手続き一般について解説しましたが、今回のコラムでは、その中でも不動産の名義変更にスポットを当てて解説していきたいと想います。

 

不動産の名義変更はひとつの山場

相続の手続きはどれも大変ですが、不動産の名義変更手続きは特に神経を使うものです。自分でできるかと思って着手してみたのはいいけれど、書類も多くやることも多いと途中で挫折してしまう方も多数いらっしゃいます。不動産は一般的に高額なため、その手続も厳格で重要なものになってきます。

 

不動産の名義変更はどこでやるのか?

不動産の名義変更は、管轄する法務局で行います。不動産は価値の高い財産であることから、法務局という公的な機関に備え付けられている記録簿に権利関係を記録することになります。この法務局に備え付けられている不動産に関する権利関係を記録したものを不動産登記簿といいます。

不動産登記
例えば、不動産を譲り受けた場合、民法上、不動産の所有権という権利が譲り受けた人に移転することになります。相続の場合は、相続によって不動産の所有権が移転します。しかし、「所有権が移転している」とはいっても、権利自体は目に見えないし、不動産の本当の所有者は誰であるのかは、一見しただけではわかりません。そこで法務局という役所に保管されている不動産登記簿という記録簿に、権利が移転している旨の記録をする必要があります。これが登記になります。

 

何を記録するのか

法務局の不動産登記簿に、記録を行うための申請を行うのですが、正確には、相続を原因とする所有権移転登記というものを申請することになります。この登記を世間一般では、よく「相続登記」と呼んでいます。相続によって、もとの所有者である被相続人(故人)から相続人に所有権が移転しましたとの登記をすることが、不動産の名義変更の実態になります。

 

不動産の名義変更=相続登記の申請に必要な書類

相続登記には、どんな書類が必要になるのでしょうか?この必要書類が何なのかは実は、いくつかパターンがあって難しくなります。相続登記の実態は、「所有権が移転したことの記録」なので、本当に所有権が移転したのかどうかが確認できる書類が必要になります。

 

法定相続分通りに不動産を相続した場合

(1)被相続人(亡くなられた方)の出生から死亡までの戸籍謄本、住民票(除票)
相続が発生したことと被相続人の相続人が誰なのかを確認するために必要となります。

(2)相続人全員の現在の戸籍謄本
相続人が相続時に生存していることを確認するために必要となります。

(3)不動産を相続する相続人の住民票
不動産を相続する相続人の正確な住所を登記簿に記録するために必要となります。

(4)相続する不動産の固定資産評価証明書
登記を申請するためには登録免許税という税金がかかります。この登録免許税は不動産の価格で変わってくるので、それを算出するために必要となります。

ちなみに法定相続人が一人の場合も上記の申請書類で大丈夫です。

 

遺産分割協議によって相続する場合

相続人間で遺産分割協議を行い、相続分とは異なる割合で相続登記をする場合の必要書類は以下のようになります。

(1)被相続人(亡くなられた方)の出生から死亡までの戸籍謄本、住民票(除票)
相続が発生したことと被相続人の相続人が誰なのかを確認するために必要となります。

(2)相続人全員の現在の戸籍謄本
相続人が相続時に生存していることを確認するために必要となります。

(3)不動産を相続する相続人の住民票
不動産を相続する相続人の正確な住所を登記簿に記録するために必要となります。

(4)相続する不動産の固定資産評価証明書
登記を申請するためには登録免許税という税金がかかります。この登録免許税は不動産の価格で変わってくるので、それを算出するために必要となります。

(5)遺産分割協議書
遺産分割協議によって法定相続分とは異なる割合で不動産を相続することを確認にするために必要となります。

(6)相続人全員の印鑑証明書
遺産分割協議は、相続人全員で合意しなければなりません。その全員の合意があったことを確認するために、遺産分割協議書に相続人全員の実印で押印し、印鑑証明書で確認します。

遺言書にもとづき相続する場合

(1)遺言書
遺言にもとづいて相続する以上、その遺言が必要になります。自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合は、家庭裁判所の検認という手続きを経たものである必要があります。(検認について詳しくは「第49回相続コラム 知らないと罰せられることも!?遺言の検認」をご覧ください。)

(2)被相続人(亡くなられた方)の死亡の記載がされている戸籍謄本、住民票(除票)
被相続人が亡くなられた事を確認するために必要になります。

(3遺言によって不動産を相続する人の現在の戸籍謄本
相続人が相続時に生存していることを確認するために必要となります。

(4)遺言によって不動産を相続する人の住民票
不動産を相続する相続人の正確な住所を登記簿に記録するために必要となります。

(5)相続する不動産の固定資産評価証明書
登記を申請するためには登録免許税という税金がかかります。この登録免許税は不動産の価格で変わってくるので、それを算出するために必要となります。

 

難しい不動産の名義変更は専門家におまかせするのも○

不動産の名義変更は、必要な書類も多く、また上記の解説のように、どのように相続したかによって必要な書類が変わってくることもあります。価値が高く大切な不動産については、専門家に任せるのも一つの手段になります。不動産の名義変更のエキスパートである司法書士が在籍する当事務所でも、広くご依頼をお受けしているので、お気軽にご相談ください。