第269回相続コラム 相続登記の申請にかかる費用はいくら?

相続コラム

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第269回相続コラム 相続登記の申請にかかる費用はいくら?

第269回相続コラム 相続登記の申請にかかる費用はいくら?

2024年4月1日より、相続登記が義務化されました。相続等によって不動産を取得した者が一定期間内に相続登記の申請を行わないと、罰則が適用される場合があります。では、その相続登記を申請する際には、どのような費用が必要となるのでしょうか。今回のコラムでは、相続登記の申請に必要となる費用について解説したいと思います。

相続登記の義務化について詳しい解説は「第267回相続コラム 本日令和6年4月1日より相続登記義務化スタート」をご覧下さい。

 

相続登記の費用

相続登記を申請する際に必要となる主な費用として以下の3つがあります。

■必要書類を取得するための費用
■登録免許税
■司法書士に支払う報酬(※)

(※)司法書士に支払う報酬については、ご自身で申請を行った場合には、不要となりますが、一般的に、登記の申請には専門的な知識が必要となるため、登記の専門家である司法書士に依頼することをオススメします。

以下、各費用について詳しく解説したいと思います。

 

必要書類を取得するための費用

相続登記を申請する際には、戸籍謄本、印鑑証明書、固定資産評価証明書などの様々な証明書を添付書類として提出する必要がありますので、それらの必要書類を取得するための費用が必要になります。

各種証明書の発行に必要な費用は、証明書の種類や発行する自治体によって異なりますが、1通発行するのに、数百円ほどの発行手数料が必要となります。

例えば、世田谷区の場合、戸籍謄本の発行は1通につき450円、除籍謄本の発行は1通につき750円の発行手数料がかかります。印鑑証明書の発行は1通につき300円の発行手数料が必要となります。

1通あたりの手数料は数百円ですが、相続登記を申請する際に必要となる証明書の数は、1通や2通ではないため、そこそこの費用が必要となります。

必要な書類の数は、相続のケース毎に異なりますが、故人の配偶者と子が相続人となるような比較的シンプルな相続のケースでも、10通程度は必要になることが多く、最低でも5,000円~10,000円程度は必要になると思っておいた方が無難です。故人の兄弟姉妹が相続人となるケースでは、戸籍の収集だけでも数十通の謄本を取得しなければならないようなケースもあり、必要書類の収集だけで数万円かかることも珍しくありません。

 

登録免許税

相続登記を申請する際には、登録免許税と呼ばれる税金を国に納める必要があります。

登録免許税額は土地や建物の評価額(固定資産税評価額)に法律で定められた税率をかけて計算されます。相続登記の場合、不動産の固定資産評価額の1000分の4(0.4%)の登録免許税が課税されます。

例えば、5,000万円の土地の相続登記を申請する際には、5,000万円×0.4%=20万円の登録免許税が必要になります。

なお、この登録免許税は、相続登記という登記の変更手続きに課せられる税金であり、相続によって財産を取得したことに対して課せられる相続税とは全く別物なので注意が必要です。また、相続人以外の者が遺贈によって不動産を取得した場合には、税率は1000分の4(0.4%)ではなく、1000分の20(2%)となりますので、その点にも注意が必要となります。

 

登録免許税の免税措置

「所有者不明土地問題」等への対策の一環として相続登記が義務化され、その登記の際に必要となる登録免許税についても、相続登記を促進するために、一定の要件を満たす場合には、免税措置の適用を受けることができます。

具体的には以下のいずれかの要件を満たす場合には、令和7年3月末迄という期限付きではありますが、登録免許税が免税されます。

■相続により土地を取得した者が相続登記をしないで死亡した場合
■評価額が100万円以下の土地について相続登記をする場合

参考:法務局ホームページ
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000017.html

 

司法書士に支払う報酬

相続登記の申請を司法書士に依頼する場合には、司法書士に支払う報酬が必要となります。

司法書士に支払う報酬については、依頼する事務所によって料金体系は異なりますが、一般的に、6万円~15万円程度の報酬が必要となります。

司法書士に支払う報酬は、相続人の数や申請する不動産の数、作成する書面の数等によって変わってくることが多いため、司法書士に依頼する際には、報酬内容の見積をとり、不明な点はしっかりと確認することが大切です。

 

おわりに

今回のコラムでは、相続登記の申請に必要となる費用について解説しましたが、いかがだったでしょうか。相続登記の申請が義務化されましたが、その申請には少なくない額の費用が必要となります。

必要書類収集のための費用や登録免許税は削ることはできませんが、ご自身で登記を申請する場合には、司法書士報酬を節約することは可能です。もちろん、その反面、難解な書面を作成したり、面倒で手間のかかる書類の収集作業等もご自身で行う必要がありますが、費用面だけを考えるのであれば、ご自身で登記申請されるのが最も費用を節約できます。

「複雑で面倒な手続きはやりたいくない」、「仕事や家庭の事情でなかなか時間を作れない」、「罰則の適用等があるので、安心して任せられる専門家に依頼したい」等の場合には、無料相談を行っている司法書士事務所にまずは相談してみることをオススメします。

当事務所では、相続や遺言についてのご相談を広く受けております。対応にあたる司法書士は、相続登記を含めた不動産登記のエキスパートです。初回相談は無料となっておりますので、相続登記はもちろん、相続や遺言のことで気になることがあれば、何でもお気軽にご相談下さい。