第219回相続コラム 孫に遺産を相続させる方法

相続コラム

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第219回相続コラム 孫に遺産を相続させる方法

第219回相続コラム 孫に遺産を相続させる方法

近年、少子高齢化に伴って、孫に遺産を残したいと考える祖父母が増加傾向にあります。少子化により、孫の数も減少し、一人ひとりの孫との関係が密になり、また、高齢化=長生きすることによって、孫と一緒に過ごす時間も増加していることが影響していると思われます。今回のコラムでは、孫に遺産を残す方法について解説したいと思います。

 

孫には相続権があるのか

誰が相続人になるのかについては、法律で定めがあり、法律で定められた相続人のことを『法定相続人』と呼びます。

孫は、この法定相続人には該当しないため、原則として、孫には相続権はありません。つまり、特別な対策を講じていない限りは、孫が遺産を相続することは通常ありません。例外的に、孫が相続するのは、代襲相続が発生しているケースです。

代襲相続とは、被相続人が亡くなる前に、本来相続人となるはずであった人が既に亡くなっている場合に、本来相続人となるはずであった人の子などが代わって相続する制度のことをいいます。 祖父母から見て、自身の息子や娘は、本来相続人となるはずの法定相続人ですが、その息子や娘が亡くなっている場合には、孫が代襲相続人として、祖父母の遺産を相続することになります。

代襲相続について詳しくは
第12回相続コラム 一歩先を行く法定相続人の範囲」をご覧ください。

 

■孫は法定相続人ではないため、原則として、相続権はない
■代襲相続のケースでは相続権がある
■代襲相続以外で、孫に遺産を残すためには特別な対策が必要となる

 

孫に遺産を残す方法

孫に遺産を残す方法として、『遺言書を作成』する方法と『孫と養子縁組』する方法があります。

遺言書を作成する

相続人以外の者に、遺産を譲り渡すのに有効な手段として、遺言書を作成することが挙げられます。遺言書では、相続人以外の者を遺産の譲受人(受遺者)として指定できるため、孫への譲渡も当然可能です。特定の財産を孫に譲ることも、「遺産の○割を孫に譲る」というように割合を指定することも可能です。

遺言によって、遺産を自由に処分することが可能ですが、本来の相続人には、最低限保障された取り分である『遺留分』というものがあるため、遺留分を侵害しないように配慮した遺産の分配が重要となります。

遺留分について詳しくは
第143回相続コラム 遺言を書く際に気をつけるべき遺留分 遺言と遺留分の関係について」をご覧ください。

 

孫と養子縁組をする

法律で定められた相続人=法定相続人として「子」が定められていますが、その「子」には養子も含まれます。ですので、孫と養子縁組をし、孫が自身の養子となれば、法定相続人として、遺産を相続することが可能になります。

相続対策も兼ねて孫を養子にする際の注意点は別のコラムでまとめていますので併せて下記のコラムもご覧いただくことをオススメします。

第183回相続コラム 基本から学ぶ養子縁組を活用した相続対策

 

おわりに

今回のコラムでは、孫に遺産を残す方法について解説しましたが、いかがだったでしょうか。“遺産”として、孫に財産を残す方法以外にも、“生前贈与”や“生命保険”を活用する方法もあります。節税対策等を視野に入れた場合、例えば、『教育資金の一括贈与の特例』や『結婚・子育て資金の一括贈与の特例』を活用すると、節税効果が大きくなります。それらについては、また、別のコラムで解説したいと思います。

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