第12回相続コラム 一歩先を行く法定相続人の範囲
前回の記事で「法定相続人の具体的範囲と相続分」を解説しました。
今回はもうちょっと掘り下げて法定相続人が変わるイレギュラーな問題について解説していきます。
妊娠中のお腹の中の子ども
法律をちょっと調べたことのある人なら、生まれる前の胎児は法律上“人”とは扱われないので相続人になれないと考えそうですが、相続に関しては例外的に相続人になれます。
ですので、妊娠中の子どもは死産でなけば相続人となります。
婚外子
不倫や浮気でできてしまったいわゆる婚外子は、“認知”の有無によって扱いが異なります。
“認知”がされていない場合は、親子関係が法律上未確定の状態なので相続人とはなりません。
“認知”がされると法律上の親子関係が発生し、確定するので子どもとして相続人になります。
認知(にんち)とは、結婚していない関係で生まれた子について、その親が親子関係の存在を認める旨の表示をすることをいいます。法律上、当然には親子関係が認められない場合について、親子関係を認める効果があります。認知するには認知のための手続きを法律上とる必要があります。
代襲相続の注意点
代襲相続(だいしゅうそうぞく)とは、被相続人より先に相続人が亡くなっている場合に、被相続人から見て“孫”や“ひ孫”、“甥”や“姪”等が相続財産を受け継ぐことをいいます。
代襲相続が発生するのは、相続人である息子さんなどが、先に亡くなっている場合や“廃除”や“相続欠格”になっている場合です。相続人である息子さんが相続放棄をしてしまうと、代襲相続が発生しないので注意が必要です。
また、相続人の息子・孫が既に亡くなっている場合には、ひ孫さんは代襲相続で相続人になれますが、相続人の兄弟姉妹が相続人になる予定の場合に、兄弟姉妹と甥・姪が亡くなっている場合には、甥や姪の子は代襲相続が発生しません。直系の子どもの場合、どこまでも代襲相続が続きますが、兄弟姉妹の傍系は甥・姪までとなります。
連れ子
連れ子は当然には相続人になることができません。たとえば、子連れ同士で再婚し、旦那が亡くなった場合には、妻と旦那のお子さんは相続人となりますが、奥様の子は相続人とはなりません。奥様のお子さんも相続人とする場合には、旦那さんと奥様のお子さんとの間で“養子縁組”をする必要があります。
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