第103回相続コラム 相談事例から学ぶ代襲相続

相続コラム

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第103回相続コラム 相談事例から学ぶ代襲相続

第103回相続コラム 相談事例から学ぶ代襲相続

相続についてある程度学んでも、いまいちわかりにくいと言われるのが代襲相続(だいしゅうそうぞく)。今回のコラムでは、具体的な相談事例を用いて代襲相続について解説したいと思います。(実際のご相談とは一部内容を変更しています)。

 

代襲相続の基本

代襲相続とは、被相続人の相続人が先に亡くなった場合に、亡くなった相続人の子が相続することです。
例えば祖父を被相続人とし、祖父・息子・孫という3世代を例にして当てはめてみると、祖父が亡くなる前に息子が亡くなった場合の相続人は孫となるのが代襲相続になります。この場合孫は代襲相続人として相続します。

直系尊属や兄弟姉妹は、被相続人にお子さんと代襲相続人がいない場合にのみ法定相続人となります。
亡くなった被相続人のお子さんは既にいなかったとしても、お孫さんがいる場合にはお孫さんが代襲相続することになるので、やはり直系尊属・兄弟姉妹は相続人にはなりません。

 

相談事例

3ヶ月前に祖父が亡くなりました。祖父の長男である私の父は5年前に亡くなっているので、私と父の弟が法定相続人となるようです。二人で祖父の不動産について遺産分割協議をする予定でした。

その後、祖父の妹も亡くなりました。祖父の妹は独身で子供もおらず、叔父からは亡くなった祖父の妹の銀行預金の件も併せて二人で遺産分割協議をする必要があると伝えられました。

私は祖父の件だけでなく、祖父の妹の件も法定相続人となるのでしょうか?

 

 

誰が相続人となるのか

結論から言いますと、今回のケースの場合、AさんはDさんの法定相続人となりますが、Eさんの法定相続人とはなりません。

 

代襲相続によって相続人になる場合

被相続人の死亡以前に、被相続人の子供や兄弟姉妹が亡くなっていた場合、その直系卑属(子供や孫)が相続人となります。これが代襲相続(だいしゅうそうぞく)です。Dさんの相続が代襲相続の典型的なケースで、Dさんよりも長男のBさん(被代襲者)が先に亡くなっていたため、Bさんの子供である孫のAさん(代襲相続人)がDさんの相続人となります。

 

代襲相続が起こらない場合

Eさんの相続については、本来相続人となるべきDさんが先に亡くなっているため、その子供であるBさんとCさんが代襲相続人となるはずですが、Bさんも既に亡くなっています。この場合Bさんの子供であるAさんが代襲相続人となることはありません。

兄弟姉妹が相続人の場合、代襲相続で被相続人の甥や姪が相続することまでは認められていますが、甥や姪が亡くなっていた場合、その直系卑属への再代襲は認められていないのです(具体的には、民法889条2項が民法887条3項を準用していないためです。)。

したがって、CさんはDさんの法定相続人でもあり、Eさんの法定相続人にもなるのに対し、AさんはDさんの法定相続人となりますが、Eさんの法定相続人とはなりません

 

困ったら専門家にご相談を

疎遠だった親族関係を調べたり、また、誰がいつ亡くなったかによって相続人が変わってくることがあるので相続の際には注意が必要です。当事務所では相続に関する相談を幅広く承っております。お気軽にご相談ください。