第197回相続コラム 知っておきたい葬儀後の給付金 葬祭費・埋葬料について解説

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第197回相続コラム 知っておきたい葬儀後の給付金 葬祭費・埋葬料について解説

第197回相続コラム 知っておきたい葬儀後の給付金 葬祭費・埋葬料について解説

日本では、いわゆる『国民皆保険制度』の下、すべての国民は、なんらかの公的医療保険(健康保険)に加入していることになります。健康保険に加入している方が亡くなり、葬儀や埋葬が行われると、葬祭費または埋葬料と呼ばれる公的な給付金を受け取ることができます。今回のコラムでは、葬祭費・埋葬料について解説したいと思います。

 

葬祭費・埋葬料とは

健康保険に加入していた方が亡くなり、その方の葬儀や埋葬が行われると、その費用に宛てるため、葬儀や埋葬を行ったご家族等に一定額の給付金が支払われます。この給付金が葬祭費や埋葬料と呼ばれるものです。

亡くなった方が国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入していた場合に支払われるのが『葬祭費』、亡くなった方が会社員等で健康保険・組合健保等に加入していた場合に支払われるのが『埋葬料(埋葬費)』になります。つまり、亡くなった方が加入していた公的医療保険の種類によって支払われる給付金が異なります。

支給額は、健康保険に加入していた方が対象の『埋葬料』は定額5万円が支給され、『葬祭費』は支給する各自治体によって額が異なりますが、一般的には3万円~7万円程度となります。例えば、当事務所のある世田谷区では7万円が支給されます。

 

葬祭費と埋葬料の違い

『葬祭費』は葬儀の際にかかった費用に対して支払われ、『埋葬料』は埋葬にかかった費用に対して支払われます。どちらの給付金も、故人が亡くなったこと自体について給付されるのではなく、葬儀や埋葬にかかった費用に対して支払われる点で共通しています。

通常、葬儀と埋葬は一体として行われることから、両者の違いをあまり意識する必要はありませんが、“直葬(火葬のみ)”の場合には注意が必要です。

『埋葬料』を受け取る場合には、埋葬料には霊柩車代、火葬代、僧侶への謝礼などを含むことから、特に問題はありませんが、葬祭費を受け取る場合には、通常、葬祭費とは、通夜や告別式に要する費用と考えられるところ、火葬のみを執り行う直葬の場合には、自治体によっては葬祭費が支給されないことがあります。自治体ごとに取り扱いが異なりますので、申請する各自治体の窓口で確認することが大切です。

 

葬祭費・埋葬料の申請方法

葬祭費、埋葬料それぞれの申請方法は、下表にまとめました。

葬祭費の申請方法

 

埋葬料(費)の申請方法

 

葬祭費・埋葬料の注意点

葬祭費も埋葬料も、故人が亡くなったこと自体について給付されるのではなく、葬儀や埋葬にかかった費用に対して支払われるものとなります。ですので、実際に葬儀や埋葬を行っていない場合には、申請することはできません。また、葬祭費も埋葬料も、葬儀や埋葬したことに対して支払われる性質の給付なため、それらは相続財産を構成しません。つまり、遺産分割の対象にはなりませんし、仮に相続放棄したとしても、受け取ることが可能です。

 

おわりに

今回のコラムでは、健康保険に加入している方が亡くなり、葬儀や埋葬が行われると給付される葬祭費・埋葬料について解説しました。実際にご家族の方が亡くなると、葬儀や法要に追われ、また、精神的にも余裕がない状況になることがほとんどです。いざという時のために各種手続きについて知っておくことは心にゆとりを持つことにつながります。

当事務所では、相続に関するご相談を広く受けております。相続の手続きで、わからないこと、お困り事がありましたら、ご相談ください。初回相談は無料となっておりますので、お気軽にご相談ください。