第258回相続コラム 相続税は遺産がいくらからかかる? 相続税の基本、基礎控除について解説
相続によって遺産を取得した際にかかる税金、相続税。相続税は、遺産を相続した全ての人に課税されるわけではなく、遺産の総額が一定額以上の場合に課税されます。今回のコラムでは、相続税は遺産がいくらからかかるのか、相続税の基本、基礎控除について解説したいと思います。
基礎控除額以下は無税
相続税には、相続財産の価格から一定額を控除することのできる基礎控除と呼ばれる制度があります。遺産の総額が、この基礎控除の額を超えなければ、相続税は課税されませんし、申告の必要もなくなります。
遺産の総額が基礎控除額以下の場合には無税
遺産の総額が基礎控除額以下の場合には、申告も不要
基礎控除額の計算
相続税は、遺産の総額が基礎控除額以下であれば、一切課税されませんし、申告の必要もありませんので、基礎控除額がいくらなのかは非常に重要となります。
基礎控除額の計算は以下のような計算式で求めることができます。
例えば、ある人が亡くなり、その相続人として、妻と子が2人いた場合、法定相続人は3人となりますので、基礎控除額は、下記のように計算され、4,800万円となります。
この場合、遺産の総額が4,800万円を超えない限り、相続税は課税されません。
上記の計算式でわかる通り、相続税の基礎控除額は、法定相続人の数が1人増える毎に、600万円ずつ増加します。
基礎控除額を超えても無税の場合もある
遺産の総額が、基礎控除額を超えなけば、相続税は課税されません。しかし、このことは、遺産の総額が基礎控除額を超えた場合には、常に相続税がかかることを意味しません。
相続税には、基礎控除以外にも様々な特例や控除の制度があるため、仮に、特例や特別な控除の条件を満たし、それらの恩恵を受けられる場合には、相続税が発生しなかったり、大きく税金の負担を軽減することが可能となります。
例えば、相続税には配偶者控除というものがあり、配偶者の相続した遺産が、1億6,000万円以内もしくは法定相続分の範囲内であれば相続税は課せられないことになります。
配偶者控除について詳しくは、
「第244回相続コラム 相続税の配偶者控除は最低1億6,000万円」をご覧下さい。
相続税には、基礎控除や配偶者控除以外にも、「小規模宅地の特例」、「未成年者控除」、「相次相続控除」など、様々な特例・控除がありますので、遺産の総額が基礎控除額を超える場合には、相続税に詳しい税理士などの専門家に相談することをオススメします。
おわりに
今回のコラムでは、相続税は遺産がいくらからかかるのか、相続税の基本、基礎控除について解説しましたが、いかがだったでしょうか。遺産の総額が基礎控除額より低ければ、そもそも相続税の申告が不要となるため、基礎控除額がいくらなのか計算することは非常に大切です。
また、前提として、そもそも法定相続人は誰になるのか正確に把握することも重要で、法定相続人は誰になるのか、詳しく知りたい方は、「第230回相続コラム 相続人になれる人は誰か? 相続人の順位について解説」などが参考になるかと思います。
当事務所は、長年、相続問題に携わってきており、また、相続税に強い税理士とも提携しております。相続問題に関する無料相談を実施しておりますので、相続に関することでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。相続税に強い税理士をご紹介することも可能です。
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