第152回相続コラム 遺言書はどうやって保管するの?オススメの遺言書の保管方法、遺言書を保管する際の注意点

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第152回相続コラム 遺言書はどうやって保管するの?オススメの遺言書の保管方法、遺言書を保管する際の注意点

第152回相続コラム 遺言書はどうやって保管するの?オススメの遺言書の保管方法、遺言書を保管する際の注意点

社会の高齢化や終活ブームなどにより、遺言書を作成される方が年々増加傾向にありますが、皆さんは作成された遺言書をどのように保管されていますか?今回のコラムでは、オススメの遺言書の保管方法や遺言書を保管する際の注意点について解説したいと思います。

 

オススメの遺言書の保管方法

安全性・確実性を重視すると公正証書遺言

遺言書を公正証書遺言という方式で作成された場合には、遺言書の原本は公証役場で保管されることになるため、紛失や改ざん、偽造・変造の危険性がなくなります。公正証書遺言は、法務大臣から任命を受けた公証人が遺言書を作成することになるため、安全面だけではなく、有効性という点でも、様式の不備等を回避できることから、最も確実性の高い遺言書になります。多少の費用がかかっても、安全性・確実性を重視したいという方は、公正証書遺言を作成することをオススメします。

公正証書遺言について詳しくは「第6回相続コラム いまさら聞けない遺言の基本3」をご覧ください。

 

自筆証書遺言なら遺言保管制度を利用

最もポピュラーな遺言書の方式である自筆証書遺言を作成された場合、それをどのように保管するのが最適なのでしょうか。

以前は、作成した遺言書を自宅等で保管する方も多かったのですが、その場合には、紛失や偽造・変造のリスクが高かったため、遺言書作成の重要度が増す中で、2020年7月10日から、新しい「遺言保管制度」というものが制定されました。

遺言保管制度を利用すると、作成した自筆証書遺言を法務局で保管してもらうことが可能となりますので、紛失や偽造・変造等のリスクを回避という観点からも、作成した遺言書は同制度を利用して法務局で保管することをオススメします。

遺言保管制度について詳しくは、「第78回相続コラム 遺言保管制度スタート」をご覧ください。

 

遺言書を保管する際の注意点

公的な保管制度を利用した場合

公正証書遺言を作成された場合や遺言保管制度を利用した場合には、作成した遺言書は公証役場や法務局で保管されるため、保管方法で問題になることはありません。ただし、いざ相続が発生した際に、遺言書を預けているという事実を相続人に伝えておかないと、遺言の存在に誰も気がつかないという事態にもなりかねないので、「遺言を作成し、それをどこに保管しているか」を相続人に予め伝えておくか、エンディングノートなどに記載しておく必要があります。

遺言保管制度を利用している場合には「死亡時通知の申出」という申出をしておくと、遺言作成者が死亡したときに、法務局からあらかじめ遺言作成書が指定した相続人などに、遺言書が保管されている旨の通知がされるので、「遺言書の存在に気付かない」というリスクを回避するのに便利です。

「死亡時通知の申出」について詳しくは「第81回相続コラム 賢く利用する遺言保管制度 – 通知の利用」をご覧ください。

 

自宅等で保管する場合のリスク

作成した遺言書を自宅等で保管する場合には、様々なリスクがあります。

遺言書を分りやすい場所に保管しておくと、相続人に発見され、それが発見した相続人に不利な内容であれば、破棄されたり、改変されるなどのリスクがあります。逆に、遺言書を分りにくい場所に隠しておくと、その保管場所を忘れてしまったり、紛失してしまうリスクがありますし、相続が発生した際にも、相続人が遺言書を発見できなくなるおそれもあります。

また、相続時に自筆証書遺言を発見できたとしても、自筆証書遺言を発見した相続人は家庭裁判所に「検認」という手続きの申立てしなければならず、これを怠ると罰則が適用される危険性がありますので注意が必要です。

公的な保管制度を利用している場合には、上記の「検認」は不要になります。

検認について詳しくは「第49回相続コラム 知らないと罰せられることも!?遺言の検認」をご覧下さい。

 

遺言書の保管方法で困ったら専門家に相談

大切なご家族のために作成した遺言書であっても、それが適切に保管され、必要な際に効力が発揮できなければ意味がありません。「遺言書を作成したけど、保管方法で悩んでいる」、「作成した遺言書が思ったとおりに効力が発揮されるか不安」、「そもそもどうやって遺言書を作成したらいいのか」など、遺言書のことでお困りでしたら、当事務所までご相談ください。長年、遺言書作成のサポートを行ってきた専門の司法書士が、無料相談を実施しております。