遺言執行サポート

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遺言執行と遺言執行者

遺言執行

財産の分け方を記された「遺言書」。
しかし、遺言の内容を実現するためには、
然るべき手続きを行う必要があります。
 
遺言者の死後に、遺言の内容を実現する手続きが「遺言執行」。
そして、遺言執行の手続きを行う人が「遺言執行者」です。

遺言執行者を指定・選任する方法

遺言執行者は主に、下記の方法で指定・選任されます。

●遺言による指定

⇒生前に遺言者が遺言書に記載する方法。「●●を遺言執行者に指定する」と、記載します。

●第三者による遺言執行者の指定

⇒生前、遺言者が遺言書に記載する方法。この場合は、「遺言執行者を決めてもらう人」だけを指定します。

●家庭裁判所による遺言執行者の選任

⇒遺言者の死後、遺言書に遺言執行者が記載されていなかったケースで選任する方法。

遺言執行者の仕事は煩雑で専門的な内容が多く、膨大な時間と手間がかかります。
そのため、遺言執行者に指定される人には、事前にお願いして了承を得ておきましょう。

遺言執行者は、相続手続きを円滑に進めるための存在

遺言執行者の指定・選任は遺言者の任意であり、遺言執行は、遺言執行者を決めずに進めることもできます。
しかし、遺言執行者を決めることによって、相続手続きを円滑に進めることに期待ができます。

遺言執行者の有無による手続きの進め方の違い

[遺言執行者が指定・選任されている相続]
⇒遺言の内容を実現するために、遺言執行者が1人で手続きを進める。

[遺言執行者が指定・選任されていない相続]
⇒遺産を受け取る相続人と受遺者が各自で手続きを行い、遺言の内容を実現する。

遺言執行者がいない場合、遺産を受け取る相続人と受遺者(遺贈を受けた人)が各自で手続きを行い、遺言の実現を目指します。
 
手続きを済ませるためには、財産の調査や資料の収集といった数多くの手順をこなす必要があります。
 
そのため、手続きを行う時間のない人、認知症で判断能力が低下した人、その他、自分自身で手続きを行うことが困難な人はスムーズな手続きができず、遺産の受け取りが遅れてしまう恐れがあります。
 
一方、遺言執行者が決められている場合、遺言執行者が1人で手続きを進めるため、遺産を受け取る各相続人・各受遺者の負担や手続きの遅延リスクを軽減することができます。

遺言執行者が必要な相続のケース

先述した通り、遺言執行者の指定・選任は任意です。
 
しかし、以下の2つの項目は遺言執行者でなければ執行できない事項であるため、遺言書に記載があった場合は遺言執行者の指定・選任が必須となります。

遺言執行者でなければ執行できない事項

・推定相続人の廃除
・認知

もし、遺言書に上記いずれかの事項が記載されているにも関わらず、遺言執行者が指定されていない場合であっても、直ちに無効となることはありません。この場合は、家庭裁判所に遺言執行者の選任を請求することで、遺言執行者を定めることができます。

遺言執行者がやるべき数多くの仕事

遺言執行者になった人は、以下の流れで手続きを進めていきます。

①相続人の調査

⇒まず、誰が相続人となるのかを調べます。調査にあたっては相続人の戸籍等、たくさんの資料を収集する必要があります。

②就任通知書の作成・交付

⇒全ての相続人を特定したら、遺言執行者に就任した旨の通知書を作成し、遺言書の写しとともに相続人に送付します。

③相続財産の調査

⇒遺言者(被相続人)の財産を調べます。相続財産は預貯金や不動産といった資産だけでなく、借金、売掛金といった負債も含まれるため、綿密な調査が必要です。

④財産目録の作成・交付

⇒相続財産の調査が終わったら、財産目録の作成を行います。目録が完成したら、相続財産の内容を共有するため、相続人に送付します。

⑤遺言の実行

⇒遺言の内容のとおりに各相続人に財産を引き渡します。

⑥任務完了の報告

⇒遺言に記載された内容を全て実行したら、任務完了報告の文書を作成し、各相続人に送付します。

相続財産や相続人の数などによって調査にかかる時間や集める資料の量が変わります。
後々のトラブルを防ぐため、抜け漏れやミスなく、慎重に進める必要があります。

遺言執行者を専門家に任せるべき理由

法律上、遺言執行者は「未成年者と破産者はなることができない」と、定められているため、これに該当しなければ理論上誰でもなれるとされています。つまり、相続人自身が遺言執行者となることも可能であるということです。
 
ただし、相続人の中から遺言執行者を指定した場合、以下のリスクが高くなります。

相続人と遺言執行者が同一だった場合のリスク

・他の相続人が、遺言執行者に対して不信感を抱く恐れがある。
・他の相続人が、遺言執行者に反発する恐れがある。
・遺言執行者自身が、相続手続きのために多大な時間やリソースをかけることになる。
・相続手続きが遅れたり、終えられなかったりする恐れがある。

上記のリスクを避けるため、遺言執行者は専門家に任せ、公平中立な立場から手続きを進めてもらうことがおすすめです。

遺言執行者を専門家に依頼するメリット

・公平性が保たれるため、相続人同士の人的トラブルを回避できる
・相続手続きにかける時間と手間を軽減できる
・円滑かつ確実に、相続手続きが進む

遺言執行者は、膨大な資料の収集や取りまとめ、財産目録等の作成、相続人への連絡など、普段の生活では触れることがないような仕事を行うことになります。また、作成した資料の不備、相続人への伝達不足などによるトラブルの発生も予想されます。
 
不慣れな手続きを自分でやろうとせず、遺言書を見つけたら、専門家に相談しましょう。

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