第225回相続コラム 相続が重なる再転相続とは?代襲相続との違いは?

相続コラム

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第225回相続コラム 相続が重なる再転相続とは?代襲相続との違いは?

第225回相続コラム 相続が重なる再転相続とは?代襲相続との違いは?

相続に関する手続きは、複雑で面倒なものが少なくないのですが、再転相続などの相続が重なるケースでは、更に複雑化してしまうことがあります。今回のコラムでは、相続が重なる再転相続とは何か、よく似ている代襲相続との違い等について解説したいと思います。

 

再転相続とは

再転相続とは、一次相続時の法定相続人が、熟慮期間中に相続の承認または放棄を行う前に亡くなり、次の相続が発生したケースを指します。簡単に言うと、一次相続の熟慮期間中に次の相続(二次相続)が発生したケースと言えます。

例えば、祖父が亡くなり、父がその法定相続人だったのですが、父が祖父の相続について、承認するか放棄するか決める前に亡くなってしまい、孫が相続人となったという場合です。

この場合の孫は、父の法定相続人という地位があると同時に、その父が有していた祖父の法定相続人という地位も有することになります。

相続が発生すると、相続開始から3ヶ月間は、相続を承認するか放棄するかの選択が可能ですが、再転相続のケースでは、一次相続および二次相続の両方について、それぞれ承認するか放棄するかを選択することができます

 

再転相続人が選択できない放棄・承認の組み合わせ

一次相続および二次相続の双方の相続人となった再転相続人は、両相続について、それぞれ承認するか放棄するかを選択することができますが、二次相続について相続放棄を選択しつつ、一次相続のみ承認するということはできないので注意が必要です。

例えば、上記の例で言うと、祖父の遺産は相続するが、父は借金が多いので、父の相続については相続放棄を選択するということはできないということです。

二次相続について相続放棄をすると、一次相続について相続する権利も放棄することになるからです。

 

よく似た代襲相続との違い

祖父母の遺産を孫が相続する代襲相続というものがあります。再転相続と状況が似ているため、よく間違われるのですが、代襲相続と再転相続では、一次相続の推定相続人がいつ亡くなったのかが異なり、また、発生する相続の数も異なります。

祖父母が亡くなる以前に、父母が亡くなっているというケースで、祖父母について相続が発生すると、孫が父母に代わって祖父母の相続人となるのが代襲相続です。既に亡くなっている父母に代わって孫が直接相続するのが代襲相続であり、発生する相続はひとつです。

それに対して、再転相続の場合には、祖父母が亡くなった時点では、父母は生存しており、次いで父母が亡くなるため、二つの相続が連続して発生するケースとなります。そのため、孫は、父母の法定相続人という立場と、父母が有していた祖父母の法定相続人という立場の両方を有することになります。

 

再転相続と熟慮期間

相続を承認するか放棄するかの選択は、原則として、「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内」にする必要があります。この三ヶ月の期間のことを熟慮期間と言います。

再転相続のケースでは、一次相続および二次相続の複数の相続について承認または放棄を選択することになりますが、どちらの熟慮期間も「二次相続の発生があったことを知った時から3ヶ月以内」となるのが原則です。

ただし、ケースによっては、同一の起算点で熟慮期間を考慮すると不合理な結果になってしまうこともあり、裁判で問題となったこともあります。

再転相続の熟慮期間についての詳細は、
第39回相続コラム 本当は怖い!?相続のお話(再転相続と借金)
をご覧ください。

 

おわりに

今回のコラムでは、相続が重なる再転相続とは何か、よく似ている代襲相続との違い等について解説しましたが、いかがだったでしょうか。再転相続が発生するケースは必ずしも多くはありませんが、高齢化が進む中では、自身に全く起こらないとは言い切れません。いざという時に備えて、予め知っておくことは大切です。

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