第223回相続コラム 推定相続人とは何か、よく似た法定相続人との違いについて解説

相続コラム

相続コラム

相続コラム

相続コラム

第223回相続コラム 推定相続人とは何か、よく似た法定相続人との違いについて解説

第223回相続コラム 推定相続人とは何か、よく似た法定相続人との違いについて解説

相続に関する用語には、専門用語が多く、また、よく似た用語が飛び交うため、いざ相続について調べようにも、用語が分りづらく挫折してしまう方も少なくありません。今回のコラムでは、推定相続人とは何か、よく似た用語である法定相続人との違いも含めて解説したいと思います。

 

推定相続人とは

推定相続人とは、現時点である人が亡くなったと仮定した場合に、その亡くなった方の相続人となる人のことをいいます。

例えば、Aさんには、妻と子がいたとします。配偶者は常に相続人となる資格があり、また、子は第一順位の相続人であるため、仮にAさんが亡くなったとすると、妻と子が相続人となります。ですので、妻と子はAさんの推定相続人です。

ポイントは、あくまで今Aさんが亡くなった場合に、妻と子が相続人になるというだけで、まだAさんが亡くなっていない段階では、それは仮定の話であり、推定にすぎないということです。もしかすると、Aさんが亡くなる前に妻と離婚するかもしれませんし(離婚すると相続人ではなくなる)、子がAさんより先に亡くなれば、後順位の相続人であるAさんの両親や兄弟姉妹が相続人となるかもしれません。

 

■推定相続人は、相続される人(被相続人)がまだ亡くなっていない段階で使われる用語です。
■実際に被相続人が亡くなるまでは、家族関係等が変わる可能性があるため、現在、相続人になると思われる人も、それはあくまで推定にすぎないため、推定相続人と呼ばれます。

 

法定相続人との違い

人が亡くなった場合に、誰が相続人となるのかについては、法律で定められており、その法律で定められた相続人のことを法定相続人といいます。法定相続人は、実際に被相続人が亡くなった場合の相続人のことを指します。

被相続人が亡くなる前は、相続人が誰であるかは厳密には未確定なため「推定相続人」と呼ばれますが、実際に被相続人が亡くなると、推定ではないため、そのまま「法定相続人」と呼ばれます。つまり、推定相続人と法定相続人とは、将来の相続人の話か、それとも実際の相続人の話かという点で異なります。

ただ、実際上は、推定相続人を考える際には、法定相続人が誰であるかを元にして推定しますし、また、法定相続人に当てはまらない人が、推定相続人になることはありませんので、両者が同じような意味合いで使われるケースも少なくありません。分けて使う場合には、時間軸が異なります。

 

■法定相続人は、法律で定めれられた相続人のことであり、実際に相続が発生した際の相続人を指します。
■推定相続人と法定相続人は同じような意味合いで使われることもありますが、分けて使う場合には、時間軸が異なります。

 

おわりに

今回のコラムでは、推定相続人とは何か、よく似た用語である法定相続人との違いも含めて解説しましたが、いかがだったでしょうか。相続に関する用語には、難しい専門用語や、よく似た用語も多く、一般の方にはとっつきにくい面も多いですが、相続に関する問題は誰にでも発生しうる問題ですので、本コラムが相続について理解を深めて頂くきっかけになればと思います。

当事務所では、相続・遺言・相続登記などに関する相談を広く受けております。相談は、初回無料ですので、相続についてわからないことや、お悩みのある方は、お気軽にご相談ください。