相続コラム

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第13回相続コラム相続権を失ってしまう相続欠格とは?

第13回相続コラム相続権を失ってしまう相続欠格とは?

本来相続人になる予定のはずが、例外的に相続権を失ってしまう場合があります。
それが相続欠格とか廃除とよばれるものです。今回は相続欠格について解説したいと思います。

相続欠格とは

相続欠格とは、法律に規定される不正な事由(相続欠格事由)が認められる場合に、その相続人の相続権を失わせる制度です。例えば、同順位の他の相続人を殺害して、自分の遺産を多くしようとした人などが相続欠格にあたり、相続権を失います。テレビドラマなどでありそうなお話ですが、実際にそのようなことが行われた場合に、悪いことをしている人の相続財産が増えるのを法が許さない、またはそもそも悪いことをしても意味がないと法律で定めることで不正を抑止することを期待しています。

相続欠格事由

相続欠格になる場合として、法は5つの規定を設けてます。

1.「故意に亡くなった方又は相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡するに至らせ又は至らせようとしたために、刑に処せられた人」

被相続人自体を殺害した場合や、先順位・同順位の相続人を殺害した場合を規定しています。当然ですね…「故意に」とあるのは、例えば交通事故などで誤って死に至らせてしまった場合等は相続権を失わないということです。

2.「 亡くなった方が殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった人。ただし、その人に是非の弁別(良いこと悪いことの区別)がなかったとき又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときはこの限りではない」

これは、被相続人が殺害されたことを知っているのに黙っている場合です。ただし、例えば、父を殺害したのが母というような場合に、自分の母親を告発せよ!というのは酷なので、相続欠格にはあたりません。

3.「詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた人」

詐欺や脅迫で遺言を書くこと等を妨げることです。

4.「詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ。撤回させ、取り消させ、又は変更させた人」

詐欺や脅迫で遺言を書かせることです。3と4は似ていますが、詐欺や脅迫で遺言の作成・変更等を“妨げる”のか、詐欺や脅迫で遺言を作成・変更等“させる”のかの違いです。

5.「相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した人」

これは、遺言を偽造したり隠したりすることです。

判例

遺言書の形式不備を発見して、遺言者の意思を実現するために、不備を是正したというような場合は、相続欠格者にはならない(最高裁昭和56年4月3日第二小法廷判決)

公正証書遺言の正本を託されていた相続人が、他の相続人に遺言書の存在と内容を告げないまま遺産分割協議を成立させた事案で、遺言書の存在を知っている相続人が他にもいたこと、遺言執行者がいたことなどの事情から、公正証書遺言の存在と内容を告げないだけでは、隠匿には当たらないと判示した事例もあります(最高裁平成6年12月16日第二小法廷判決)

そもそも、相続欠格は不正を行い不当な利益を得ようとする人が得しないようにするためのものなので、不当な利益を得る目的がないような行為は、偽造や隠匿(隠すこと)にはならないとした裁判例です。