第65回相続コラム 遺言保管手数料まとめ
先日、「法務局における遺言書の保管等に関する法律関係手数料令」(令和2年政令第55号)が公布され、今年7月10日から施行される遺言書保管制度の各手数料が明らかになりました(遺言書保管制度については「第50回相続コラム 押さえておくべき遺言保管制度」をご参照ください)。
遺言保管手数料
各手数料は以下のとおりです。
遺言書の保管の申請等
1.遺言書の保管の申請をする者 1件につき3,900円
2.遺言書の閲覧を請求する者 1回につき1,700円
3.遺言書情報証明書の交付を請求する者 1通につき1,400円
4.遺言書保管事実証明書の交付を請求する者 1通につき800円
遺言書保管ファイルの記録の閲覧等
1.遺言書保管ファイルに記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧を請求する者
1回につき1,400円
2.申請書等又は撤回書等の閲覧を請求する者
一の申請に関する申請書等又は一の撤回に関する撤回書等につき1,700円
遺言保管制度のメリット
この保管制度を利用するメリットは、自分で遺言書を保管する必要がなくなること、家庭裁判所での検認の手続が不要になることです(「第49回相続コラム 知らないと罰せられることも!?遺言の検認」をご参照ください。)。家庭裁判所での遺言書検認の申立の際に必要な「800円の収入印紙と相続人の数×84円の切手」に比べるとこれらの手数料は若干割高にも見えますが、それでも、遺言書の保管場所に悩む必要がなくなること、相続人が検認の申立をしたり検認期日に家庭裁判所まで出向く必要はなくなること等を考えると、自筆証書遺言を既に書いた方やこれから書くつもりの方にとって、この制度は積極的に利用すべきではないかと考えられます。
もっとも、保管申請される自筆証書遺言について法務局はあくまで形式的な審査しか行いません。法務局が保管した自筆証書遺言でも、内容に不備があれば、遺言者の死後、遺言書の一部又は全部が無効となってしまう可能性もあります。
当相談所でも、遺言書の作成相談を承っております。お気軽にご相談ください。
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