相続コラム

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第40回相続コラム 相続の落とし穴!? 子どもがいない夫婦の相続問題1

第40回相続コラム 相続の落とし穴!? 子どもがいない夫婦の相続問題1

子どもがいない夫婦の場合、例えば夫が先に亡くなった場合、無条件で遺産は全て妻に相続されるとお考えではないでしょうか?子どもがいる夫婦の場合の法定相続人は配偶者と子どものみですが、子どもがいない夫婦の場合、法定相続人は配偶者のみなのでしょうか?

今回のコラムでは「配偶者の父母が存命のケース」を解説します。

子どもがいない夫婦の相続人は?

夫が亡くなった時に夫の父母(又は祖父母)が存命であれば、妻と夫の父母(又は祖父母)が法定相続人となります。民法上定められた法定相続分として、妻が3分の2、父母(又は祖父母)が3分の1を取得することとなります。子どもがいない夫婦の場合、亡くなった配偶者の財産は全て残された方のものになりそうなイメージが世間ではあるようですが、実際には今回のケースのように亡くなった方の父母や兄弟姉妹が相続人となることもあります。(兄弟姉妹が相続人となるケースは次回コラムで解説します。)

妻が亡夫の両親と良好な関係であれば、無事に遺産分割協議を成立させることができるかもしれません。息子が亡くなった深い悲しみの中でも、その遺産は全てお嫁さんにさしあげるという義両親も少なからずいらっしゃるでしょう。

しかし、孫がいなければ交流が少ないことも多く、妻と義父母との関係が良好でないことは珍しくありません。生前、良好であった関係が、夫の死で変わってしまうこともあります。また、義父母のいずれかが高齢で認知症を患っていた場合、義父母が離婚していてその関係が良好でない場合などでも、遺産分割協議が困難になるリスクがあります。

リスク回避のためにできること

このようなリスクを避けて、法定相続分とは違う割合、例えば遺産を全て配偶者に相続させたいという希望がある場合等のために、民法は遺言の作成という手段を用意しています。遺言書があれば遺言者の意思が法定相続分に優先します。遺言書に「全ての遺産を妻に相続させる」と記載しておけば、原則として全ての遺産が妻のものとなり、遺産分割協議が不要となるのです。

ただし、遺留分(「第30回相続コラム しっかり押さえたい遺留分の基本」をご覧下さい)には注意が必要です。今回のケースで夫が妻に全財産を残すという遺言を残すと、両親には6分の1の遺留分請求権が生じることとなります。

遺留分を考慮する必要があったとしても、遺言書があれば残された配偶者の負担は大きく軽減されることになります。子どもがいない夫婦には遺言書の作成を強くお勧めします

次回のコラムでは「夫の兄弟姉妹が相続人となるケース」を解説します。