第122回相続コラム 時系列で学ぶ相続手続きの流れ-5ヶ月目-相続税申告

相続コラム

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第122回相続コラム 時系列で学ぶ相続手続きの流れ-5ヶ月目-相続税申告

第122回相続コラム 時系列で学ぶ相続手続きの流れ-5ヶ月目-相続税申告

これまで複数回に分けて時系列で相続手続きの流れをご紹介してきました。それもいよいよ終盤。今回のコラムでは、相続税の申告について解説していきたいと思います。

 

相続税の申告の対象となる方

相続税については、実は全ての方が申告の必要があるわけではありません。相続税には「基礎控除」というものが設定されており、この控除分の金額を遺産総額が超えなければ相続税は0円です。また、その場合には相続税を申告する必要もありません

 

基礎控除額の計算

相続税における基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人」という式で計算されます。

例えば、相続人が、故人の妻と子の2人という場合には、「3,000万円+600万円×2人」=「4,200万円」が基礎控除額となります。遺産の総額が4,200万円を超えなければ相続税は0円となり、相続税の申告も不要となります。

この基礎控除額は、平成27年から制度が変わっています。以前の税制度では、基礎控除額は「5,000万円+1,000万円×法定相続人」という計算式で算出されていたため、相続税を支払う必要があるのは、一部の資産家に限定されていました。しかし、法改正がされ、基礎控除額が少なくなったことにより、相続税の申告の対象となる方が増えているので、注意が必要です。

 

相続税の申告期限

以前のコラムでも何度か解説したことがありますが、相続税の申告には期限があります。申告期限は、「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内」。 それを過ぎると、無申告加算税や延滞税などの罰則が発生することがあります。また、本来受けられたはずの様々な特例の恩恵が受けられなくなり、税金が高くなるおそれも。相続税の申告は、必ず期限内に行いましょう。

 

相続税の申告書の提出先

相続税の申告書の提出先は、管轄の税務署になります。「管轄の税務署」とは故人の住所地を管轄する税務署のこと。相続人の住所地を管轄する税務署ではないので、注意しましょう。

 

相続税の納付方法

相続税の納付期限は、申告期限と同じ日です。この納付期限までに、現金で一括で納めるのが原則になります。所定の納付書に必要事項を記入し、最寄りの金融機関の窓口か申告書を提出する税務署で納税。クレジットカードなどで支払うことも可能ですが、クレジットカードは、通常、利用限度額が設定されており、決済額がこれを超える場合があることや、利用手数料がかかるなどの理由で、利用されるケースは少ないようです。

現金で一括納付について

遺産の大半を土地や建物などの不動産が占めている場合など、相続税を現金一括で支払うのが難しい場合には、例外的に、延納や物納という納税方法が認められる場合もあります。ただ、あくまで例外であり、認められるためにはいくつかの条件をクリアする必要があるなど、必ず認められるわけではありません。ですので、すぐには現金化しづらい財産で遺産が構成されている場合には、残されたご家族が困らないためにも事前に相続対策をされることをオススメします。

 

相続税の申告漏れに特に注意

前述しましたが、申告期限を過ぎた場合には、様々なペナルティが発生し、余計な税金を支払うことになるおそれがあります。また、申告していた場合でも申告漏れが発覚した際には、修正申告を求められます。このときに追徴税(過少申告加算税)が課される場合があります。期日超過や申告漏れを防ぐためにも、相続税の申告が必要な場合には、専門家に相談することをオススメします。

また、相続税の申告が将来必要になるような場合には、相続税を現金納付することを踏まえて、事前の相続対策を行うことが重要になります。当相談所では、相続専門の税理士と連携して、相続対策のワンストップサービスを提供しているので、お気軽にご相談ください。