第118回相続コラム まさか自分が!?デジタル遺品のトラブル~アカウント編

相続コラム

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第118回相続コラム まさか自分が!?デジタル遺品のトラブル~アカウント編

第118回相続コラム まさか自分が!?デジタル遺品のトラブル~アカウント編

近年よく耳にするようになった「デジタル遺品」。インターネット・スマートフォンの普及やIT化の影響で最近よく問題となっています。デジタル遺品に関しては、近年新しく登場した問題なために、対処法がわからずトラブルになるケースも。案外身近なデジタル遺品。事例も交えて解説したいと思います。

デジタル遺品とは?その種類

まずはデジタル遺品とはなんでしょうか?「第114回相続コラム IT化の影響-デジタル遺品で相続トラブルに遭わないために」でも解説しましたが、デジタル遺品とは、故人が遺したデジタル機器類、インターネット上に残したデータのことを指します。

【デジタル遺品の種類】
・クレジットカード情報などの機密情報
・ネットバンキング、ネット証券口座
・SNS、ブログ、ホームページなど
・スマートフォンやPCに保存されている写真
・メール(保存されている他人の情報含む)
・オンライン上の契約
・個人情報

※種類は一例になります。

 

デジタル遺品トラブルとは?事例から詳しく解説

デジタル遺品は上記に挙げたように、多岐にわたるため、それにまつわるトラブルも非常に多岐にわたります。トラブル事例をいくつかあげると下記のような事例があります。

【デジタル遺品トラブル事例】
・インターネットバンキングやネット証券会社の口座を全て把握できていない
・スマートフォン、PCのパスワードがわらない
・SNSアカウントの対処をどうするかわからない
・故人が契約したサブスクリプションの契約解除ができない

次に、それぞれの事例ごとに対処法をお伝えします。

 

SNSアカウント

個人のプライベートな情報を発信するSNS。パッと思いつくだけで、“facebook”、“twitter”、“instagram”など数多くのSNSが存在します。
亡くなった方のアカウントはどうしたら?と思うでしょう。個人のSNSは、死亡届などの客観的な証拠を運営会社に提出することで、「追悼アカウント」に切り替えることができるサービスもあります。
それ以降は内容を変更できなくなりますので、故人がSNSを持っていることがわかった場合は追悼アカウントへの切り替えをするようにしましょう。

※運営会社によっては削除などの対応になることもあります。各運営会社に問い合わせすることをお勧めします。

ネットバンキング、仮想通貨

実際に銀行に行くよりも便利なネットバンキング。現在流通している通貨だけでなく、仮想通貨なども持っている方が増えました。ネットバンキング(証券口座)はもとより、仮想通貨も相続の対象になるといわれています。

故人が契約していたかどうかがわからないことも多く、死後調べるのは至難の業。極力生前にエンディングノートなどをつけておき、遺族に周知できるようにしておくことが理想です。パスワードなども残しておくことが重要です。

パスワードを残す方法

パスワードを書き記しておくと、それが誰かに見られないか不安になる方も多いようです。その対処法の一つとして、書き記したパスワードの上から、修正テープを張り、目隠ししておくのが一つの対処法になります。もし修正テープが剥がされていなければ誰にもパスワードを見られていないことが確認できます。

サブスクリプション契約

今やすっかり定着したサブスクリプション契約。
毎月一定額を支払いして使用権を得るサービスです。音楽や、書籍などが一般的です。近年流行のオンラインサロンのサブスクリプションというのもあります。
毎月自動的に支払いが発生しているだけに、契約者が亡くなっても支払いが継続してしまいます。
支払先がクレジットカードだったり、口座振替の場合、銀行口座を凍結したりすることで、自動的に契約が解消されることもありますが、思わぬ契約もあります。
スマートフォンであればサブスクリプション契約を確認することもできる場合がありますので、端末情報は早めに削除せず、確認してから行うようにしましょう。
デジタルデータを溜めておくオンラインストレージなどを使用していた場合、本来遺品となるデータや作品などを知らない間に削除してしまったというトラブルもあります。
デジタル遺品は端末から情報を得られることもありますので、しっかり確認するようにしましょう。また、端末自体にロックなどがかかっていると、それを遺族が解除するのは非常に手間がかかりますので、解除用のパスワードなども残しておくと安心できます。

デジタル遺品は生前整理が有効!

デジタル遺品に関わらず、遺産整理は生前に行っておくことが遺族の負担を減らす鍵になります。
特にデジタル遺品は個人だけが管理していることも多いので、遺族からは見えにくくなっています。
生前に情報整理を行うことが重要です。悩んだら専門家に相談にご相談ください。