第114回相続コラム IT化の影響-デジタル遺品で相続トラブルに遭わないために
- 2021.03.26
- 知って得する相続対策
- デジタル遺品, 生前対策, 相続
突然ですが、デジタル遺品という言葉を聞いたことがありますか?遺品にデジタルなんてあるの…?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、実は存在しており、近年これが話題となっています。話題となっているということはトラブルもあるということ。IT化の影響は相続にも大きな影響を与えつつあります。今回はデジタル遺品について詳しくお伝えします。
デジタル遺品とは
さて、そもそもデジタル遺品とは一旦何のことでしょうか?デジタル遺品とは、故人が遺したデジタル機器に保存されたデータやインターネット上の登録情報のことです。PCやスマートフォンの中にあるデータ、ネットバンキングの口座やアカウントなどがこれにあたります。
そう言われるとハッとする人も多いのではないでしょうか。IT化の影響でインターネットで利用できる有料定額サービスなども近年増えており、利用されている方も多いのではないでしょうか。
こんなにある!デジタル遺品の種類!
そんなデジタル遺品にはどのようなものがあるのでしょうか。全てを網羅することは不可能なくらい種類がありますので、その一部をご紹介します。
デジタル遺品の種類
ネットバンキング
ネット証券等の口座
SNSアカウント
クラウドストレージに保存してあるデータ
ネットショッピングやネットオークションの利用情報
インターネットサイトなどの有料サービスのアカウント
スマートフォン、PC内にある動画や画像、テキスト(外付けのハードディスクなどの記録媒体に保存されたものも含む)
SDカード、USBデータなどに保存されたデータ
デジカメ、ボイスレコーダーなどに保存されたデータ
トラブル注意!死後でも契約が続行することも!
デジタル遺品の種類は多岐に渡ります。
中でも、気をつけたいのは、ネットバンキングやインターネットで有料契約したアカウント。
ネットバンキングは通帳やカードがなく、その存在が遺族に伝わりにくい特性があり、ログインするためのIDとパスワードがわからなければ内容を確認することもできない扱いづらさもあります。更に、インターネットで有料契約したアカウントは解約しなければ死後でも契約が続行し、債務が発生するケースもあります。
デジタル遺品は、生前対策が重要
デジタル遺品は、その遺品が存在することの確認が難しいだけではなく、その解約等には、一般的にwebサービスにログインして各種手続きを行うことから、ログイン情報などがわからないと、手続きを行うために想像以上の時間と手間がかかります。契約の存在が確認できなければ、そのまま放置され、有料サービスの場合には継続して料金がかかってしまうこともあります。
残された家族が困らないように、エンディングノートなどにしっかりとアカウント情報を残しておくことが大事です。
具体的には
契約しているサービス名
ユーザID
ログインパスワード
登録時のメールアドレス
そのメールはどこで閲覧できるのか(PC・スマホ)
また閲覧する際にパスワード等が必要な場合はその情報も。
を書き残しておきましょう。
悩んだら専門家の活用も
今後ITはどんどん進化していくと予想されるので、デジタル遺品に関連する問題も増えてくると思われます。生前対策でお悩みの方は、専門家に相談するのも後のトラブル回避につながります。当事務所でも生前対策に関するご相談を無料で受けておりますので、お気軽にご相談下さい。
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