第215回相続コラム 相続の手続きで必要となる除籍謄本とは何か?戸籍謄本とどう違うのか?

相続コラム

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第215回相続コラム 相続の手続きで必要となる除籍謄本とは何か?戸籍謄本とどう違うのか?

第215回相続コラム 相続の手続きで必要となる除籍謄本とは何か?戸籍謄本とどう違うのか?

相続に関する手続きを進める際には、被相続人が亡くなったという事実確認や、相続人が誰であるのかを確認するために、戸籍謄本や除籍謄本を求められる場面が多くあります。戸籍謄本に比べて、馴染みの薄いのが除籍謄本。今回のコラムでは、除籍謄本とは何か、戸籍謄本とはどう違うのか解説したいと思います。

 

そもそも戸籍や除籍とは何か

戸籍とは、日本人が、出生してから死亡するまでの身分関係(出生・婚姻・離婚・死亡・養子縁組など)を登録・公証する仕組みのことで、その登録内容が記載された公簿そのものを指すこともあります。

戸籍は、原則として1組の夫婦、および、その夫婦と同じ氏の未婚の子どもを単位として編製され、本籍地の市区町村役場に、公簿として保管されています。

通常であれば、出生により両親の戸籍に登録され、婚姻や離婚等によって別の戸籍に移ったりすることはあるものの、日本人であれば、亡くなるまで何らかの形で戸籍に登録されていることになります。

戸籍に登録されている方が亡くなると、その戸籍から抜けることになりますが、これを除籍といいます。(婚姻等で元の戸籍から抜ける場合も、広い意味では除籍といえます。)

 

除籍謄本とは何か

戸籍内の全員が、死亡や失踪宣告により除籍されたり、婚姻や離婚によって戸籍から抜けると、その戸籍内には誰も存在しなくなりますので、そのような戸籍は戸籍簿から除かれ、別に綴られることになります。その戸籍簿から除かれ、別に綴ったものが除籍簿とよばれ、除籍簿の謄本が、除籍謄本になります。

「原本」と「謄本」
「原本」とは、一番最初に作成されるオリジナルの文書のことをいいます。戸籍でいえば、役所に保管されている戸籍簿が原本となります。「謄本」は「原本の写し(コピー)」のことをいいます。役所に保管されている戸籍簿そのものを交付してもらうわけにはいかないので、「謄本」を発行してもらい、それを各種手続き等で利用することになります。

 

除籍謄本が必要となる場面

ある戸籍に夫婦とその子が登録されており、夫が亡くなったとします。その夫が亡くなった事実を証明するためには、戸籍謄本と除籍謄本のどちらが必要となるのでしょうか。

仮に、妻は既に他界しており、また、子も婚姻によって、他の戸籍に移っていた場合、夫が登録されていた戸籍には、その夫が亡くなったことにより、誰も存在しないことになるため、戸籍は除籍簿に移されます。ですので、夫が亡くなっていることを証明するためには、除籍謄本が必要になります。

上記のケースで、妻が亡くなっていない場合や子がそのまま戸籍に残っている場合には、夫が登録されていた戸籍には、まだ登録者が存在し、全員が抜けてしまった戸籍ではないため、除籍簿には移りません。ですので、除籍謄本ではなく、戸籍謄本を取得することが可能で、その戸籍謄本をもって、夫の死亡の事実を証明することができます(戸籍謄本に、死亡による除籍である旨の記載がある)。

■戸籍に登録されている者が誰もいなくなった場合には、除籍謄本
■戸籍に登録されている者が存在する場合には、戸籍謄本

 

おわりに

今回のコラムでは、相続に関する手続きで、ほぼ必須となる除籍謄本とは何かについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。

相続の手続きを進めて行く中で、被相続人の戸籍を出生まで遡って集めたり、相続人全員の戸籍を集めるのに苦労される方も少なくありません。戸籍制度は何度か改正されており、利用されているシステムの移行などもあり、古い戸籍を遡って揃えるにはそれなりにノウハウが必要であったりもするからです。

相続という重要な場面で、安全・確実に手続きを進めるために、多くの手続きで必須となる戸籍謄本集めで失敗しないためには専門家に依頼するという手段もあります。

当相談所では、多くの相続手続きに携わってきた専門の司法書士が、無料相談を実施しております。遺産整理や相続手続きを行う際に、戸籍謄本集めでお悩みの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。