相続コラム

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第23回相続コラム 成年後見と遺産分割の注意点

第23回相続コラム 成年後見と遺産分割の注意点

「第19回相続コラム 未成年者がいる場合、遺産分割で必要になる!?特別代理人とは」という記事で未成年者がいる場合の遺産分割時の注意点などを解説しました。
今回は、それと似ているパターンで成年後見を受けている場合、成年後見が必要な場合の遺産分割時の注意点などについて解説したいと思います。

行為能力について

突然ですが、“行為能力”という言葉を聞いたことがありますか?
行為能力とは、契約などの権利義務が発生する法律的な行為を単独で有効にできる能力をいいます。

例えば、未成年者などは契約内容などを単独で判断することが難しいと法は考え、親権者の同意がないと契約は結べないようになっています。言い換えると未成年者には行為能力がないということです。

成人していたとしても、例えば高度の認知症を患っているような場合には、行為能力がない状態にあり、成年後見人に代わりに契約等をしてもらう必要があります。遺産分割協ついても、それに参加し遺産分割をするとなると、権利を取得したり義務を負ったりすることもあるため、行為能力が必要とされます。

成年後見と遺産分割の注意点

遺産分割をする際に、行為能力がない相続人がいる場合には、その法定代理人である成年後見人が変わりに手続きを進めることになります。

注意が必要なのは、成年後見が必要な人(成年被後見人)の面倒を見る成年後見人は、家族や親族がなる場合も多く、成年被後見人と成年後見人が同じ相続の相続人になった場合です。
この場合は成年後見人と成年被後見人の利益が対立するため、成年後見人が成年被後見人に代わって手続きを進めることができず、特別代理人の選任を家庭裁判所に申し立てる必要があります。

なお、この場合に後見監督人がいるときは、後見監督人が成年後見人に代わって手続きができるため特別代理人を選任する必要はありません。

具体例

父、母、長男という家族構成。
父が亡くなって相続開始。
母は父が亡くなる以前から認知症を患っている。
長男が母の成年後見人となっている。

このような場合、父の相続人は、母と長男となります。
遺産分割協議をする場合には、長男は自分自身の相続人としての立場と母の後見人としての立場があり、それぞれ利益が対立してしまうので、特別代理人を選任し、その特別代理人と長男とで遺産分割協議をすることになります。