第282回相続コラム 相続人になったらまず確認すべきこと

相続コラム

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第282回相続コラム 相続人になったらまず確認すべきこと

第282回相続コラム 相続人になったらまず確認すべきこと

「相続が発生し、自分が相続人となった場合、まず何をしたらいいのでしょうか?」という質問をされることがよくあります。故人の財産状況や家族構成等によって必要な相続手続きは変わってきますが、相続が発生し、自分が相続人になった際に、共通して確認すべき事項があります。今回のコラムでは、自分が相続人になった場合に、まず確認すべき事項について解説したいと思います。

 

遺言書の有無を確認する

相続の手続きは、遺言書の有無によって、必要とされる手続きが大きく異なってきます。遺言書があれば遺言書の内容に沿ったかたちで遺産を分配するのが原則となりますが、遺言書がなければ、相続人間で遺産分割協議というものを行い、遺産の分配方法を話し合いで決めることになります。また、遺言書の内容次第では、自身が相続人から外れてしまうケースもあります。例えば、故人が、内縁関係の配偶者に遺産を全て譲り渡す旨の遺言書をのこしていたというようなケースです。

つまり、遺言書の有無によって、必要な手続きや、相続人が変わってくる可能性がありますので、相続の手続きを進める前に、遺言書の有無を確認することが重要となります。遺言書が後から発見されると、遺産分割のやり直しや、遺産を巡る争いに発展するケースも少なくありませんので注意が必要です。

 

法定相続人を確認する

相続が発生すると、遺産は相続人が相続することになるのですが、そもそも相続人は誰なのかをしっかりと確認することが重要です。

「故人と浮気相手との間に隠し子がいた」、「養子縁組によって知り合いを養子にしていた」等、故人にご家族の知らない相続人が存在する可能性がありますし、また、相続の手続きを進める際には、相続人が誰であるのかを、銀行や法務局等に証明する必要もあります。遺産分割協議をする際にも、相続人全員の合意が成立要件となりますので、相続人全員を漏れなく特定することは非常に大切となります。

ですので、相続が発生した際には、故人の戸籍を遡って収集し、相続人が誰であるかをしっかりと確認することが大切です。なお、集めるべき戸籍の数は人によって異なりますが、ケースによっては何十通もの戸籍を取り寄せる必要があるケースもありますので、相続が発生した際には、早めに戸籍の収集を始めるか、時間がかかりそうな場合には専門家に依頼することをオススメします。

 

遺産の調査、特に借金の有無を調査

遺産を相続する際に、遺産の額が一定額を超えると、相続税を申告する必要がありますので、どのような遺産がどのくらいあるのか、遺産を正確に調査することは重要です。また、相続する遺産には、現金・預貯金・不動産・株式といったプラスの財産だけではなく、借金や未払金などのマイナスの財産も含まれるため、マイナスの財産を調査することも大切です。

仮に、多額の借金がある場合には、相続を放棄するという手段がありますが、相続放棄の手続きは、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に行わなければならないという期限がありますので、借金等のマイナスの財産については、特に早めに調査する必要があります。

 

不動産の有無を調査

2024年4月1日より、不動産を相続した場合に、その不動産の名義変更手続きである相続登記の申請が義務化されました。相続等によって不動産を取得した者は、法律で定められた期間内に、相続登記を申請する必要があり、これを怠った場合には、罰則が適用される場合があります。

ですので、遺産の中に、不動産が含まれる場合には、相続登記の申請が義務となっているため、不動産が相続の対象となっているかどうかを調査することが重要です。

相続登記の申請が義務化されたのは、比較的最近の話ですので、「不動産を相続したが、どうしたらいいのかわからない」という方は、登記の専門家である司法書士に相談することをおすすめします。

 

おわりに

今回のコラムでは、自分が相続人になった場合に、まず確認すべき事項について解説しましたが、いかがだったでしょうか。相続が発生した際に必要となる相続手続きは人によって異なりますが、遺言書の有無、相続人の調査、遺産調査は遺産整理を進める際には、ほぼ必須となりますので、まずはそれらの確認・調査をすることをおすすめします。また、遺産に不動産が含まれる場合には、相続登記の申請が義務化されていますので、不動産を相続した場合には、忘れずに相続登記を申請しましょう。

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