第113回相続コラム 時系列で学ぶ相続手続きの流れ-3ヶ月以降(遺産分割協議書の作成)

相続コラム

相続コラム

相続コラム

相続コラム

第113回相続コラム 時系列で学ぶ相続手続きの流れ-3ヶ月以降(遺産分割協議書の作成)

第113回相続コラム 時系列で学ぶ相続手続きの流れ-3ヶ月以降(遺産分割協議書の作成)

相続が始まってから3か月が過ぎ、相続放棄をしなかった場合は、遺産を受け継ぐための本格的な手続きをしていきます。今回はその中でも遺産分割協議書について詳しく解説していきます。

 

相続手続きで大切となる遺産分割協議書とは?

遺産分割協議書とは、遺産を相続人間でどのように分割するかについての話し合い(遺産分割協議)をした結果をまとめた書面のことを言います。

当然といえば当然ですが、相続人がそもそも一人しかいない場合には、分割しなくても一人に全ての財産が帰属するので、遺産分割協議は不要です。

また、遺言がある場合には、原則として、その遺言に従って遺産が分配されるはずですので、その場合も遺産分割協議は不要になります。

遺言書がある場合でも、遺言書に記載のない財産を分配する際には、協議が必要になります。また、遺言書の内容として、例えば「実家は妻が相続、その他の財産は子ども達で分ける」など、具体的内容が決まっていない場合にも、遺産分割協議が必要になります。

これらの協議の結果を書面として残すことによって、後の手続きの際の必要書類であったり、法的な証拠として利用されます。

 

遺産分割協議はいつまでにしなければならないの?

遺産分割協議をいつまでにしなければならないという決まりはありません。しかし、相続税の申告・納付は相続開始から10カ月以内と決まっているので、その際に様々な控除を受けるために、遺産分割協議をしておくのが望ましいです。

 

遺産分割協議書作成時の注意点

遺産分割協議を始める際に、下記の点を注意する必要があります。

1.不動産の評価額の確定
2.寄与分、特別受益があるか確認する

不動産の評価方法については、様々な評価方法があったりするために、相続人間で評価方法が異なることもあり、争いの原因になることもあります。ですので事前に評価方法や額をしっかりと調べておくのが望ましいでしょう。

「寄与分」や「特別受益」が認められると、相続人の取り分が変わってくる場合がありますので、後に争いが起こらないように、「寄与分」や「特別受益」も確認しておくことをオススメします。

寄与分とは、被相続人の財産形成に貢献してきた相続人、又は被相続人の療養看護に努めてきた相続人等、被相続人の生前に被相続人に対して何らかの貢献をしてきた相続人と、他の相続人との公平さを図るために設けられた制度のことです。寄与分がある相続人は、法定相続分プラス寄与分の額が上乗せされます。

 

特別受益とは、相続人が被相続人から生前に贈与受けていたり、相続開始後に遺贈を受けていたり特別に被相続人から利益を受けていること言います。その場合は、他の相続人との間で不公平が生じないように法定相続分から特別受益分をマイナスして計算されます。

 

遺産分割協議書の提出先は?

さて、遺産分割協議書を作成したところで、提出・申請はどこにするのでしょうか?

遺産分割協議書は、相続財産が誰にどのように分配されたかについての、法的な書類になりますので、様々な場面で必要になります。例えば、不動産の名義変更をするならば、法務局に提出する必要がありますし、銀行等の預金名義を変更するならば、金融機関に提出する必要がありますし、相続税の申告の際には税務署で必要となります。

 

遺産分割協議がまとまらない!そんなときは?

遺産分割協議は相続人全員の合意によって成立するものです。一人でも合意が欠けると成立しません。そのため、内容に不満をもつ人や、信頼関係が薄い人がいれば話が進まないということも考えられます。

どうしても当事者間で解決が出来ない場合には、最終的に家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることになります。そこまでいかなくても、専門家を交えて話し合いをすると、冷静な第三者がいるということや、法的・専門的な助言を受けられることで話がまとまる場合もありますので、法律の専門家に相談するのも手です。

当事務所でも無料相談を行っているので、お気軽にご相談ください。