第54回相続コラム 後悔しない遺産分割協議書の作り方

相続コラム

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第54回相続コラム 後悔しない遺産分割協議書の作り方

第54回相続コラム 後悔しない遺産分割協議書の作り方

相続が発生し遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議をおこない、「遺産分割協議書」を作成する必要があります。相続人全員が署名押印した「遺産分割協議書」がなければ遺産の名義変更や相続税の納税等の手続を進めることができませんので、大変重要な書類になります。今回は遺産分割協議書を作成時の注意点をまとめたいと思います。遺産分割協議ってなに?って方は「第18回相続コラム いまさら聞けない遺産分割の基本」をご覧ください。

遺産分割協議書とは?

全ての相続人が参加した遺産分割協議において合意にいたった内容を書面に取りまとめた文書をいいます。遺産分割協議書は、相続人全員で合意に至った内容について、一種の契約書のような法的拘束力を持ち、またその内容について証明する証明書のような性質を持ちます。1度合意した遺産分割協議は原則として全員の合意なく内容変更はできませんので、不備がないように注意しなければなりません。

遺産分割協議書の書式

遺産分割協議書には特に決められた書式があるわけではありません。しかし、契約書のような性質がある以上、その内容が客観的に見て誤解が生じない、分かりやすい内容でなければなりません。

遺産分割協議書作成時のポイント

被相続人の特定

当たり前ですが、被相続人(相続される人)が誰なのかを具体的に特定されていることが必要です。氏名だけでなく死亡日や最後の住所、本籍地も記載すべきです。

相続財産の特定

遺産分割である以上、その遺産を具体的に特定する必要があります。

預貯金の場合は金融機関名だけでなく、支店名、口座種別、口座番号などが必要です。仮に被相続人が同一銀行に複数口座をもっていた場合に、金融機関名だけではどの口座の話なのか特定できなくなる場合があるからです。

不動産の場合は地番や家屋番号だけでなく土地の広さや建物の床面積まで記載すべきです。遺産分割協議書は、不動産の名義変更時に必要となり、不動産登記簿上の記載と遺産分割協議書の記載に齟齬があると手続が進まなくなる可能性があります。

相続人の記載

参加者全員の住所を記載して、署名し捺印の上、印鑑証明書も取得する必要があります。面倒でも全員が自筆して、実印で押印しなければなりません。直接顔を合わせるのが難しい場合は書類を持ち回りするのが一般的です。

作成日の記載

作成した日付の記載が必要です。

トラブル防止

後日のトラブルを防ぐために、相続人の人数分同じ書類を用意して、各自が1部ずつ保管することをお勧めします。また、複数枚になるときは、偽造防止のため、必ず割印を押印します。割印を押印する場合は、相続人の一部だけでなく、相続人全員で割印を押す必要があります。

金融機関や法務局等で訂正や補正を求められる場合があるので、捨印も押印しておくと便利です。せっかく相続人全員が署名捺印した遺産分割協議書であっても、不備があると関係各所で手続がうまく進められない場合があるからです。

 

当相談所では相続案件を多数取り扱っております。遺産分割協議書の作成でお困りのことなどがありましたら、お気軽にご相談ください。