第148回相続コラム 相続の際に実家を売却して遺産分割する換価分割について

相続コラム

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第148回相続コラム 相続の際に実家を売却して遺産分割する換価分割について

第148回相続コラム 相続の際に実家を売却して遺産分割する換価分割について

相続の際に、実家を誰が継ぐのか、または継がないのかはよく問題になるテーマです。今回のコラムでは、実家を売却して、現金で遺産を分割する換価分割について解説したいと思います。

 

換価分割とは

換価分割とは、遺産分割の方法のひとつで、不動産や株式等の財産を売却して現金化し、得られた現金を決められた割合で相続人間で分けるという方法です。

例えば、遺産として5000万円の実家があり、それを兄弟で分けるといった場合、その実家を5000万円で売却し、得られた現金を兄弟で2500万円ずつ分けるというのが換価分割になります。実際には、不動産を売却する際には、諸経費がかかるため、それらを引いた額を分けることになります。

 

換価分割が有効なケース

遺産分割の方法には、換価分割以外の他の方法もありますが、換価分割はどのようなケースに適しているのでしょうか。

 

現物の相続を望まない

例えば、相続人には既に持ち家があり、誰も実家を利用する必要がないなど、現物の相続を誰も望んでいないケースに換価分割がよく利用されます。不動産を所有していると、固定資産税が発生したり、維持管理するためのコストが必要になってしまうからです。誰も住んでいない家というのは想像以上に劣化が早いため、修繕費等が大きな負担になります。

 

相続財産の公平な分配のため

遺産分割の方法には、換価分割以外の他の手段もありますが、公平に分配するという観点からは、換価分割が候補に挙がりやすい傾向にあります。

例えば、現物をそのまま分けるという現物分割という方法は、実家という不動産では採用しづらく、相続人全員で共有財産にするという共有分割の方式を採用しても、結局誰がそこに住むのかについて争いのタネが残ってしまう可能性もあります。

実家を特定の相続人が相続し、他の相続人には相続分に相当する現金等を支払うという代償分割という方法もありますが、不動産の評価方法によって損得が変わってくるので、場合によっては不動産の評価方法についての争いが生じる可能性があります。

相続財産の公平な分配と言う点では、換価分割が他の分割手段よりも優れていると言えます。

 

代償金や相続税を支払う資力がない

代償分割をするためには、不動産を相続する相続人は、他の相続人に代償金を支払うだけの資力が必要になります。もちろん相続財産の中に、不動産以外の財産が多く含まれている場合には、あまり問題とならないのですが、一般的に不動産は高額であり、相続財産の多数の割合を占めることが多いため、代償金の捻出が難しいというケースがあります。

同様に、相続税の納付は原則として現金で行う必要があるため、相続税支払いの原資がない場合には、不動産を売却して、売却して得たお金で相続税を納付し、残った現金を相続人間で分けることになります。

換価分割を選択する場合には、特に相続人の資力は問題にならないため、利用しやすい遺産分割方式と言えます。

換価分割を進める際にはご相談ください

遺産分割の際に有用な手段のひとつの換価分割。実家の売却など不動産を売却する際には、被相続人から相続人への名義変更、そこから売却した際の買主への名義変更手続きなど、様々な手続きが必要になります。当事務所では、不動産に関する法律のエキスパートである専門の司法書士がおりますので、相続に関する手続きのみならず、不動産に関する手続きもワンストップサービスで提供いたします。また不動産売却を仲介する業者のご紹介も必要に応じて行っておりますので、お気軽にご相談ください。