第222回相続コラム 孫を養子にして遺産をのこす際に注意したい『相続税額の2割加算』について

相続コラム

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第222回相続コラム 孫を養子にして遺産をのこす際に注意したい『相続税額の2割加算』について

第222回相続コラム 孫を養子にして遺産をのこす際に注意したい『相続税額の2割加算』について

第219回相続コラム 孫に遺産を相続させる方法」の中で、お孫さんを養子にして遺産をのこす方法について解説しましたが、その際に注意したいのが『相続税額の2割加算』というルールです。今回のコラムでは、『相続税額の2割加算』とは何か、その対象者は誰なのかについて解説したいと思います。

 

相続税額の2割加算とは

相続や遺言などによって財産を取得すると、相続税が課せられるのが原則となりますが、その納税額は全ての相続人が同じというわけではありません。

遺産を受け取った人によっては、相続税額が2割加算される場合があります。それがいわゆる『相続税額の2割加算』と呼ばれるものです。

 

2割加算の対象者

2割加算の対象者となるのは、次のような方となります。

 

■被相続人の配偶者ではない方
■被相続人の一親等の血族ではない方
■被相続人と養子縁組をした被相続人の孫

 

一親等の血族とは、ご自身の父母やお子さんを指します。被相続人の父母や子が相続人となる場合には、「2割加算」は適用されません。

養子縁組をすると、民法上、その者との間に親子関係が発生するため、養子縁組をした者同士の血縁関係は、一親等の血族となります。しかし、税法上、孫と養子縁組をした場合には、例外的に、「2割加算」の対象となります。

ただし、孫が相続する場合でも、代襲相続によって遺産を相続する場合には、「2割加算」の対象とはなりません。代襲相続による場合には、本来相続人となるべき被相続人の子たる地位を代襲して代わりに相続しているにすぎないからです。

参考:国税庁ホームページ(タックスアンサー)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4157.htm

 

2割加算される理由

相続という制度には、相続人の生活保障という側面があることからすれば、被相続人と血縁の近い人とそうでない人の相続税が同じというのは不自然であること、また、被相続人の孫が遺産を直接相続した場合には、「相続を1回スキップ」するような格好となり、相続税を1回免れることができるということが、2割加算される理由と考えられています。

そのような理由からすれば、孫を養子にした場合には、『2割加算』が適用され、代襲相続が発生している場合には、本来相続すべき者に代わって相続しているだけなので、特段『2割加算』される理由がないことが理解できるのではないでしょうか。

 

おわりに

今回のコラムでは、『相続税額の2割加算』とは何か、その対象者は誰なのかについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。お孫さんを養子にするカタチで相続税対策をすると、一回分の相続税の納付を免れることができる反面、今回解説した『相続税額の2割加算』がありますので、ケースによっては、生前贈与等を利用した方が有効となることがあります。相続税対策を行う際には、税理士などの専門家に相談することをオススメします。

当事務所は、30年以上、相続問題に携わってきており、また、相続税や贈与税に強い税理士とも提携しております。相続問題に関する無料相談を実施しておりますので、相続に関することでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。信頼できる税理士をご紹介することも可能です。