第190回相続コラム 相続手続きのスタート 死亡届について徹底解説

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第190回相続コラム 相続手続きのスタート 死亡届について徹底解説

第190回相続コラム 相続手続きのスタート 死亡届について徹底解説

人が亡くなると、様々な公的な手続きや相続に関する手続きが必要となります。今回のコラムでは、人が亡くなった際に、まずはじめに必要となる死亡届について、届出先、必要書類、届出義務者など詳しく解説したいと思います。

 

死亡届とは何か

死亡届とは、人が死亡したことを役所に届け出るための提出書類のことをいいます。亡くなった方の家族などの届出義務者は、死亡の事実を知った時から7日以内に役所に死亡届を提出しなければなりません。(国外で亡くなった場合には、その事実を知った時から3ヶ月以内となります。)

死亡届の提出を怠ると、罰則の適用があるだけでなく、「火葬許可証」の発行や年金・保険関連の手続き等にも前提として必要となるため、全員が必須となる手続きです。

戸籍法第86条1項
死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。

戸籍法第137条
正当な理由がなくて期間内にすべき届出又は申請をしない者は、五万円以下の過料に処する

 

死亡届は誰が出すのか

死亡届を提出しなければならない届出義務者は、以下の方になります。

1.同居の親族
2.その他の同居者
3.家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人

上記の届出義務者には、順位があり高順位の者に届出義務があります。ただし、先順位の者がいたとしても、後順位の者が届け出ることは差し支えありません。また、届出義務者ではありませんが、同居の親族以外の親族や後見人等も届出をすることができます。

戸籍法第87条1項
次の者は、その順序に従つて、死亡の届出をしなければならない。ただし、順序にかかわらず届出をすることができる。
第一 同居の親族
第二 その他の同居者
第三 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人

戸籍法第87条2項
死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人及び任意後見受任者も、これをすることができる。

 

死亡届はどこに出すのか

死亡届けの提出先は、以下のいずれかに該当する市区町村役場となります。

1.亡くなった方の死亡地
2.亡くなった方の本籍地
3.届出人の所在地(住所地)

上記のいずれにも該当しない役所の窓口では、死亡届は受理されません。通常、住民票のある住所地で亡くなる方が多いので、亡くなった方の本籍地と住所地が別であっても、『亡くなった方の死亡地』として死亡届は受理されることが多いのですが、亡くなった方の住所地自体は、届出地に該当しないので注意が必要です。

戸籍法第25条
届出は、届出事件の本人の本籍地又は届出人の所在地でこれをしなければならない。

戸籍法第88条1項
死亡の届出は、死亡地でこれをすることができる。

 

死亡届の必要書類

死亡診断書または死体検案書

死亡届を提出する際には、死亡診断書または死体検案書を添付する必要があります(戸籍法第86条第2項)。

故人が自宅または病院で亡くなった場合には、臨終に立ち会った医師や死亡を確認した医師が死亡診断書を交付してくれます。不慮の事故などで亡くなった場合には、警察に連絡し、監察医から死体検案書を交付してもらうことになります。

通常、死亡診断書(死体検案書)は、死亡届の用紙と一体になっているので、空欄となっている死亡届の欄に必要事項を記入して提出します。

注意事項として、死亡診断書は一度提出してしまうと返却してもらえません。ですので、生命保険や遺族年金などの手続きで書類が必要になることに備えて、何枚かコピーを取っておくことをオススメします。病院等で、死亡診断書の再発行も可能ですが、手数料が必要となるのが通常です。

なお、死因が大規模災害などで、死亡診断書や死体検案書が作成・提出できない場合には、死亡届に診断書・検案書を提出できない理由を記載するとともに、「死亡の事実を証すべき書面」を提出することが必要となります(戸籍法第86条第3項)。

 

参考:死亡届記載例(法務省)
https://www.moj.go.jp/content/000011718.pdf

 

届出人の印鑑

死亡届には、届出人の自筆署名があれば、押印がなくても、死亡届は受理されます。ただ、届出時に記載内容に誤りがあった場合など、訂正印として使用する場合があります。ですので、届出の際には、認印でも問題ありませんので、持参することをオススメします。

 

死亡届と葬儀社

通常、人が亡くなると葬儀が営まれることになり、葬儀社に依頼することになるかと思います。その場合は、葬儀社の方が、遺族の使者として、死亡届や火葬許可申立書を提出してくれるケースが多くなります。葬儀を依頼する場合には、わからないことや不安なことは葬儀のプロの方に確認するのが安心です。

 

まとめ

今回のコラムでは、人が亡くなった際に、まずはじめに必要となる死亡届について詳しく解説しました。今回解説した死亡届以外にも様々な手続きが必要となり、また、相続に関する手続きも必要となります。

当事務所では、相続に関するご相談を広く受けております。相続の手続きで、わからないこと、お困り事がありましたら、ご相談ください。初回相談は無料となっておりますので、お気軽にご相談ください。