第104回相続コラム 読めますか名寄帳? 所有不動産を調べる便利な方法

相続コラム

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第104回相続コラム 読めますか名寄帳? 所有不動産を調べる便利な方法

第104回相続コラム 読めますか名寄帳? 所有不動産を調べる便利な方法

世田谷区を中心に相続に関する相談を数多く扱ってますが、今回のコラムでは、相談例をもとに、お亡くなりになった被相続人が所有していた不動産を探す方法について解説したいと思います。特に名寄帳については意外と知らない方も多いと思いますので、今回のコラムを読んで是非ご活用ください。

 

不動産相続の相談事例

先日父が亡くなりました。相続手続をしたいのですが、父は遺言書やエンディングノート等も遺しておらず、そもそも父が不動産をどこにいくつ持っているのかよく分かりません。どのように調べればよいのでしょうか?

 

不動産を探す方法

個人が複数の不動産を所有しているときに、全てを確認するのは簡単ではありません。遺言書の不動産の記載に漏れがあることもあります。遺産分割協議や相続登記、相続税の申告が終わった後で、不動産の漏れが発覚することもあります。不動産の確認については以下の方法を全て行って、可能な限り慎重に進めることをお勧めします。

 

①権利証、登記識別情報、登記簿謄本等を探して確認する。

不動産をお持ちの方であれば、例えば売買や相続などで物件を取得したときに、権利証や登記識別情報、取得当時の登記簿謄本(登記事項証明書)等を手にしているはずです。ご自宅や銀行の貸金庫等、心当たりの場所をまずは可能な限り探してみることをお勧めします。もちろん見つからない可能性や、紛失してしまっている可能性もあります。

 

②固定資産税の納税通知書に同封されている課税明細書を確認する。

毎年5月か6月頃に都税事務所や市町村役場から送られてくる固定資産税の納税通知書には課税明細書が同封されています。これを確認すると固定資産税が課税された不動産を特定することができます。ただし、道路等固定資産税が課税されない不動産、他の共有者と共有している不動産など、所有していても課税明細書に記載がない不動産がある場合もあることに注意が必要です。

 

③管轄の都税事務所や市町村役場で「名寄帳(なよせちょう)」を取得する。

名寄帳とは、各市区町村が地域内の不動産所有者を管理している名簿です。これを確認すると、被相続人が同一市区町村内に所有している不動産が全て明らかになります。同じ市区町村内に多くの不動産を所有しているケースなどで非常に有用です。ただし、明らかになるのは「その市区町村内」のみであることに注意が必要です。別の市区町村内に不動産を所有している場合は、そちらで別途名寄帳を取得する必要があります。

名寄帳の取得方法については各市区町村のHPをご参照ください。

 

今回の相談事例では、そもそも遺言やエンディングノートがないことが前提でした。残されたご家族が困らないためにも、遺言やエンディングノートでしっかりとどんな財産があり、それをどのように分配するのか等を決めておくことが大事になります。
当事務所では不動産の相続についてのご相談を広くお受けしております。初回のご相談料は無料です。お気軽にご相談ください。